4 J'allais par des chemins perfides / Faure / Naouri

フォーレGabriel Faure(1845-1924)

よき歌(優しい歌) La bonne Chanson, Op.61
Saintel'aubelunecheminspeurAvantd'étéN’est-ceL'hiver

IV 私は不実な道を歩いてきた J'allais par des chemins perfides (Paul Verlaine)


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J'allais par des chemins perfides,

私は不実な道を歩いてきた

Douloureusement incertain.

苦しく確かでない道

Vos chères mains furent mes guides.

あなたの優しい手が私を導いてくれた

 

 

Si pâle à l'horizon lointain

遠くの地平線の霞んだところ

Luisait un faible espoir d'aurore;

夜明けの微かな希望が光っていた

Votre regard fut le matin.

あなたの眼差しは朝だった

 

 

Nul bruit, sinon son pas sonore,

どんな音も、自分の足音を除いては

N'encourageait le voyageur.

旅人を勇気づけはしなかった

Votre voix me dit: « Marche encore! »

あなたの声はこう言った「歩き続けて!」と

 

 

Mon cœur craintif, mon sombre cœur

私のおびえた重い心は

Pleurait, seul, sur la triste voie;

悲しい道をひとり泣いた

L'amour, délicieux vainqueur,

愛、その魅力的な征服者は

 

 

Nous a réunis dans la joie.

喜びの中に私たちを結びつけたのだ

(Hyperion Faure complete songsの英訳から)

各節の2文までは転調した不安を示す聖女のテーマ、最後の1文で恋人が現れるとリディアのテーマの上行音形が現れる。弦楽伴奏版では2文までがほとんどピアノ伴奏で、最後の1文に来ると優しい弦楽が主体になり、対比が強調される。第3節では低音でズン、ズンと足音が聴かれる。弦楽伴奏版ではここが低弦のピチカートで強調され、はっと気付かされる。
不安の解決となる第4節の3文目「愛こそは、えも言われぬ征服者、それがぼくらを」は今までのリディアのテーマに加え、愛の力で長調になった聖女のテーマが加わる。弦楽版は今までと逆に聖女のテーマを弦、リディアのテーマをピアノが受け持つ。最後は愛の成就によって力強く歌い終わると、音が上方に絡み合いながら上っていく。