マーラー Gustav Mahler (1860-1911)
大地の歌 Das Lead von der Erde
Trinklied・Einsame・Jugend・Schönheit・Trunkene・Abschied
III 若さについて Von der Jugend (Li T'ai-po)
Kollo, Ludwig, Bernstein, Israel Phil (1972)
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Mitten in dem kleinen Teiche Steht ein Pavilion aus grünem Und aus weissem Porzellan. |
池の真ん中に緑と白の陶器の休憩所がたっている |
Wie der Rücken eines Tigers Wölbt die Brücke sich aus Jade Zu dem Pavilion hinüber. |
その休憩所までトラの背中のように翡翠の橋がかかっている |
In dem Häuschen sitzen Freunde, |
友人たちがその小さな家に集まっている |
Schön gekleidet, trinken, plaudern, Manche schreiben Verse nieder. |
美しく着飾って、酒を飲み、話し合い、詩を書いている者もいる |
Ihre seidnen Ärmel gleiten Rückwarts, ihre seidnen Mützen Hocken lustig tief im Nacken. |
その絹の袖が後ろに垂れ下がり、絹の帽子は首の後ろでとまっている |
Auf des kleinen Teiches stiller Wasserfläche zeigt sich alles Wunderlich im Spiegelbilde. |
池のじっと動かない水面には全てのものが奇妙に映っている |
Alles auf dem Kopfe stehend In dem Pavillon aus grünem Und aus weissem Porzellan; |
緑と白の陶器の休憩所の内側から全てのものが逆立ちしている |
Wie ein Halbmond steht die Brücke, Umgekehrt der Bogen. Freunde, |
橋は半月のように反対にかかっている |
Schön gekleidet, trinken, plaudern. |
美しく着飾った友人たちは酒を飲み、話し合っている |
(Tilson Thomas のCD英訳から)
「若さについて」という題名もよくわからない。
このテキストに出てくる陶器の休憩所(あずまや)とは実際の建物ではなく、陶器や磁器でできた小さなものを指しているのだろうか。
翡翠でできた橋というのもミニチュアのもののように思える。
そしてそれを見ている私はその中にいないのだろうか。
ということは休憩所のミニチュアを眺め、過去の若かりし頃の友人と過ごした場面を思い起こしているかのようだ。
水面に映る逆さまの光景はすぐにでも壊れてしまうもの、はかないものの象徴かも知れない。