Paukenmess / Haydn / Honeck

ハイドン Franz Josef Haydn (1732 - 1809)

Missa in tempore belli in C major、H XXⅡ 9
Mass in Time of War, Paukenmesse(1796)
ミサ曲 ハ長調「よき四季斎日のミサ」「パウケンミサ」「戦時のミサ」
ホーネック&WDR放送交響楽団 (2022)


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I. キリエ 00:00 Ⅱ. グロリア 05:00 III クレド 15:36 IV サンクトゥス 25:50
V. ベネディクトゥス 28:26 VI. アニュス・デイ 34:00

 I. キリエ 00:00

Kyrie, eleison.

主, 憐れみ給え。

Christe, eleison.

キリスト, 憐れみ給え。

Kyrie, eleison.

主, 憐れみ給え。

Ⅱ. グロリア 05:00

Gloria in excelsis Deo.

天においては天主にさかえあれ.

Et in terra pax hominibus bonae

  voluntatis.

地においては善意の人に平安あれ、

Laudamus te: benedecimus te: 

 adoramus te: glorificamus te.

我ら主をたたえ,主をあがめ, 

主を拝礼し,主を讃美し奉る.

 

 

Gratias agimus tibi propter

  magnam gloriam tuam.

主の光栄の大いなるがために

つつしみて感謝し奉る。

Domine Deus, Rex coelestis,

  Deus Pater omnipotens.

主なる天主, 天の王,

 全能の父なる天主

Domine Fili unigenite,

 Jesu Christe.

おんひとり子なる

主イエズス・キリスト

Domine Deus, Agnus Dei,

 Filius Patris.

主なる天主, 天主の子羊,

 父の御子.

Qui tollis peccata mundi,

 miserere nobis.

主は世の罪を除き給うにより,

 我らを憐れみ給え。

Qui tollis peccata mundi, suscipe

 deprecationem nostram.

主は世の罪を除き給うにより,

 我らの願いを聴き入れ給え。

Qui sedes ad dexteram Patris,

  miserere nobis.

主は父の右に座し給うにより,

我らを憐れみ給え。

 

 

Quoniam tu solus Sanctus, tu

 solus Dominus, tu solus

 Altissimus,  Jesu Christe.

そは主イエズス・キリスト, 唯一の聖,

 唯一の主, 唯一の至高者にてませばなり。

Cum Sancto Spiritu, in gloria 

 Dei Patris.

主は聖霊とともに天主なる父の光栄に

ましまし給うなり、

Amen.

アーメン。

III クレド 15:36

Credo in unum Deum, Patrem 

 omnipotentem, factorem coel;

 et terrae, visibilium omnium,

 et invisibilium.

我は唯一の天主を信ずすなわち

全能の父, 天地とすべて見ゆる物と

見えざる物とのつくり主.

Et in unum Dominum Jesum Christum,

また唯一の主イエズス・キリストを

信ず

Filium Dei unigenitum.

天主のひとり子にて

Et ex Patre natum ante omnia

 saecla.

すべての世の前に父より生れ,

Deum de Deo, lumen de lumine,

 Deum verum de Deo vero.

天主よりの天主, 光よりの光,まことの

天主よりのまことの天主にてましまし

 

 

Genitum, non factum, consubstantialem

 Patri: per quem omnia facta sunt.

つくられずして生れ, 父と一体にして,

万物これによりてつくられ,

Qui propter nos homines,

 et propter nostram salutem,

 descendit de coelis.

人たる我らのために

また我らの救いのために

天より降り,

 

 

Et incarnatus est de Spiritu

 Sancto ex Maria Virgine:

 Et homo factus est,

聖霊によりて童貞マリアより

人体をうけて人となり給い,

Crucifixus etiam pro nobis: sub

 Pontio Pilato passus,

 et sepultus est.

また我らのためにポンシオ・ピラトの

管下にて苦しみをうけ、十字架に

つけられて葬られ給い,

 

 

Et resurrexit tertia die,

 secundum Scripturas.

3日目に聖書にありしごとく

よみがえり給い,

Et ascendit in coelum, sedet ad

  dexteram Patris.

天に昇りておん父の右に座し,

Et iterum venturus est cum gloria

 judicare vivos et mortuos:

 cujus regni non erit finis.

しかして生ける人と死せる人をさばかん

ために光栄をおびて再び来り給い,

かつその王国は終りなかるべし.

Et in Spiritum Sanctum,

また主にして,

Dominum et vivificantem:

 qui ex Patre Filioque procedit.

いのちの主なる聖霊を信ず,

すなわち父および子よりいで,

Qui cum Patre et Filis simul

 adoratur, et conglorificatur:

 qui locutus est per prophetas.

父と子とともにおがみ

尊まれ給いて

予言者をもって語り給えり,

Et unam, sanctam, catholicam

 et apostolicam Ecclesiam.

また一にして聖, 公, 

使徒伝来なる教会を信ず,

Confiteor unum baptisma in

 remissionem peccatorum.

罪のゆるされんめに

一の洗礼を信ず、

 

 

Et expecto resurrectionem mortuosum, 

Et vitam ventuli saeculi.

死したるもののよみがえりと

未来のいのちとを待ち奉る.

Amen.

アーメン.

IV サンクトゥス 25:50

Sanctus, Sanctus,

聖なるかな,聖なるかな,

Sanctus Dominus Deus Sabaoth!

聖なるかな,万軍の天主なる主,

Pleni sunt coeli et terra gloria tua.

主の栄えは天地にみちみてり.

Hosanna in excelsis!

いと高きところまでホザンナ.

V. ベネディクトゥス 28:26

Benedictus qui venit in nomine

 Domini.

主のみ名によりて来れる者は

祝せられさせ給え.

Hosanna in excelsis!

いと高きところまでホザンナ.

VI. アニュス・デイ 34:00

Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:

世の罪を除き給う天主の子羊,

miserere nobis.

我らを憐れみ給え.

Agnus Dei, qui ..........

……….天主の子羊,

miserere nobis.

我らを憐れみ給え.

Agnus Dei, qui ..........

……….天主の子羊,

dona nobis pacem.

我らに平安を与え給え。

 

 

 

 

 

 

ミサはラテン語の一定の典礼文が制定されているようだ。
つまりどのミサ曲も歌詞は同じということだろう。

中野博詞氏の『ハイドン 復活』(春秋社)には次のように書かれている。
「じつは、晩年の六曲のミサ曲の各曲は、それぞれ三つの交響曲を合せたかたちで作曲されているのです。
つまり、キリエとグロリアを“第一の交響曲”、クレドを“第二の交響曲”、そしてサンクトゥス以下を”第三の交響曲“と分けることができます。
研究家ランドンは、ハイドンの晩年の六曲のミサ曲を「根本的構成においては、ミサの言葉を用いた声とオーケストラの交響曲」と名づけているほどです。」

音楽之友社作曲家別名曲解説ライブラリーには次のように書かれている。

ハイドン自身自筆楽譜に《戦時のミサ》という題名を掲げている。
このミサ曲が作曲された1796年には,当時オーストリア領であった北イタリア各地に対するナポレオン軍の激しい侵略が展開されていた。
戦時の名称は、オーストリア国歌の作曲者であり,大成功を収めたイギリス国王に永住を勧められたにもかかわらず帰国した愛国者ハイドンのフランスの脅威に対する怒りの表明といえる。
特に<アニュス・デイ〉の部分で独奏ティンパニが用いられ、戦いへの恐怖と平和への強い願いが鮮やかに音楽化されているところから,《太鼓ミサ》と愛称されるようになった。」