エリック・サティ Erik Satie (1866-1925)
いいとも、ショショット Allons-y Chochotte (D. Durante)
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Lorsque je vis Chochotte, |
ショショットを見た時、 |
Elle me plut carrément, |
彼女はすごく魅力的に映ったんだ |
J'lui dis : «Et's-vous mascotte?». |
ぼくは彼女に尋ねた、”きみは未婚なの” |
« Mais monsieur certain'ment». |
”ええ、もちろんですわ” |
« Alors sans plus attendre, |
”それなら単刀直入に |
Je veux être votre époux». |
きみの夫になりたいな” |
Elle répond d'un air tendre : |
彼女は優しい眼差しで答えたんだ |
« Je veux bien être à vous, |
”あなたのものになりたいわ |
Mais pour cela, il vous faudra |
でもそのためには |
Demander ma main à papa». |
私のためにパパに頼んでね” |
Allons-y Chochotte-Chochotte... |
いいとも、ショ・ショショッショショット、 |
Allons-y Chochotte, Chochotte allons-y. |
いいとも、ショショット、ショショット、いいとも |
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Le soir du mariage, |
結婚式の夕方、 |
Une fois rentrés chez nous, |
やっとこ家に戻ったところで |
J'prends la fleur de son corsage. |
ぼくは彼女のコサージュから花をむしり取った |
Je fourre mon nez partout. |
そして隈なく鼻を突っ込んだ |
« Alors » me dit ma femme, |
”さてと”と妻は言った |
«Avant tout écoute-moi. |
”まずは私の言うこと聞いてちょうだい |
J'vais couronner ta flamme. |
あなたの心の欲望を叶えてあげるわ |
Puisque tu m'aim', prends-moi. |
私を愛してるのだから、私を奪ってちょうだい |
Mais pour cela il te faudra |
でもそのためには |
Ne pas m'chatouiller sous le bras». |
脇の下をくすぐっちゃだめよ” |
Allons-y Chochotte-Chochotte... |
いいとも、ショ・ショショッショショット、 |
Allons-y Chochotte, Chochotte allons-y. |
いいとも、ショショット、ショショット、いいとも |
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V'là qu'au moment d'bien faire, |
それからことがうまく進んだそのとき |
On entend sur l'boul'vard |
ぼくらは聞いたんだ、外の広い並木道から |
Un refrain populaire |
よく知った歌を |
Et comme un bruit de pétards. |
爆竹の音のようだった |
C'est une sérénade |
それはセレナーデ |
Que donn't en notre honneur |
ぼくらを囃し立てる歌 |
Un'band' de camarades |
友達の一団が |
Qui travaillent tous en choeur, |
みんな一緒に歌ってる |
S'accompagnant des instruments |
楽器を持って |
En carton, à cordes, à vent. |
ダンボールの弦楽器や管楽器で |
Allons-y Chochotte-Chochotte... |
いいとも、ショ・ショショッショショット、 |
Allons-y Chochotte, Chochotte allons-y. |
いいとも、ショショット、ショショット、いいとも |
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Le lendemain, Chochotte |
次の朝ショショットが |
Me dit : « Mon p'tit Albert, |
ぼくに言った、”アルベール、ねえ、 |
J'veux un fils qui dégote |
息子が欲しいわ |
Mozart et Meyerbeer. |
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Pour en faire un prix de Rome, |
ローマ賞を取らせるのよ |
T'achèteras un phono |
あなたは蓄音器を買って |
Que tu r'mont'ras mon p'tit homme |
セットアップしてね、かわいい人 |
Au moment psycholo où l'on march'ra, |
一番いい機会にね |
De ce moment-là, comme ton cylindre |
そのあと続けましょ、あなたのシリンダーが |
L'indiquera». |
示すテンポで” |
Allons-y Chochotte-Chochotte... |
いいとも、ショ・ショショッショショット、 |
Allons-y Chochotte, Chochotte allons-y. |
いいとも、ショショット、ショショット、いいとも |
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Neuf mois après, Chochotte |
9ヶ月の後ショショットは |
Me rend papa d'un garçon. |
ぼくを男の子のパパにした |
«Ah,» s'écri' «Saperlottel» |
”まあ、なんてこと” |
La sag'femme «que vois-j'donc?» |
産婆が叫んだ、”あれは何でしょ” |
«Qu'avez-vous donc, Madame? |
”何ですの、マダム |
Pourquoi crier si haut?» |
そんなに大きな声で” |
Lui demanda ma femme, |
ぼくの妻は彼女に尋ねた |
«N'a-t-il pas tout ce qu'il faut?» |
”五体満足じゃないの” |
«Oui, mais voilà, on peut lir'là |
”いいえ、でも見て、書いてありますわ |
Sur son p'tit nombril c'refrain-là : |
かわいいおへそにこんな言葉が” |
Allons-y Chochotte-Chochotte... |
いいとも、ショ・ショショッショショット、 |
Allons-y Chochotte, Chochotte allons-y. |
いいとも、ショショット、ショショット、いいとも |
(サティ歌曲チッコリーニ盤、タロー盤、プティボン盤、ファルク盤の英訳から)
題名からどう訳すのか迷った。英訳では Let’s go Chochotte、Come on, Chochotte、Let's do it, Chochotte! などとなっている。「さあさあ、ショショット」「行こうよ、ショショット」などと考えてみるのだがどうもしっくりこない。直接的な表現も無粋なので、チッコリーニの全集日本語盤にある「いいとも、ショショット」に落ち着いた。
チッコリーニ盤とラプラント盤にある日本語訳にどうも訳のわからないところがあった。チッコリーニのLP盤とタロー盤の英訳のものもよくわからなかったが、プティボン盤の英訳まで見て大体見当がついた。それにしてもラプラント盤の訳は意味不明だ。4節に出てくる蓄音機はシリンダーを使った蝋管式蓄音機のことだろう。プティボン盤には作詞のデュランテのところにSatie?とあるので、歌詞もサティなのかもしれない。作曲年も1903年、1905年、1906年とCDやLPによってばらばら。
とっても楽しい。つまらないことはどうでもいいように思えてくる。ショショットオ〜って笑ってやり過ごすのがいい。
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diary 2023-5-20 (土) 月齢0.5 雨・曇り
今日は鴨の親子には会えなかった。
睡蓮の花が整っていて素敵だ。
泥の中から出てあんなに綺麗で整った花を咲かせるのだから不思議だ。
バッハの無伴奏ヴァイオリンのデータをいくつか入力。
6曲全部通したファイルのみを選んだ。
12番に載せたヴィオラのスラピンと読むのだろうかその演奏がしっとりとして実にいい。
11番のテオピーニと読むのかギターの演奏もいい。
14番録音が古いがエネスコの無伴奏も聴く。
12番アールグリムのチェンバロでフーガの技法を聴く。
低音もよく響いた良い録音再生、これまた素晴らしい演奏だ。
ドビュッシーの忘れられた小唄を2番Briotで聴く。
サティのいいともショショットを改訂。
音源がいくつかあった。
楽しい。