Nocturne / Borodin / Borodin Quartet

ボロディン Alexander Borodin (1833−1887) 

弦楽四重奏曲第2番 ニ長調
String Quartet No.2 D major (1881)
The Borodin Quartet (1980) III Nocturne


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全曲


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I. Allegro moderato in D major 00:00
II. Scherzo. Allegro in F major 08:26
III. Notturno (Nocturne): Andante in A major 13:19
IV. Finale: AndanteVivace in D major 22:03

「これは、驚嘆すべき音楽で、優しい情熱的な感情に満たされていて、その感情は自然にのびのびと音で吐露されている。」
驚嘆すべき音楽。どの楽章をとってもこれは本当に素晴らしい音楽だ。

世の中にはなんでもできる人がいるものだなあとつくづく思う。
ボロディンの伝記を読むと、科学の分野、教育の分野、学校運営などに大きな功績を残し、そしてとても忙しかった。
また、病弱な奥さんがいたから心配事は尽きなかっただろう。
ムソルグスキーの心からの友でありながら、この忙しさの中で助けられなかったのも納得できる。
1881年ムソルグスキーの亡くなった年だ。
そんな中で一流の音楽まで演奏、作曲できるのだから本当に感心する。
キュイをはじめ力強い仲間たちは自己主張が強く、仲間さえ時には容赦なく批判する。
ところがボロディンだけは優しく、控えめで、自分自身日曜作曲家、素人だと認めていた。

彼にとって大切な日、二十年前にハイデルベルグで彼がエカテリーナに愛を告白した八月二十日までに作品を完成させたいと願った。この弦楽四重奏曲は彼女に捧げられたのである。これは、驚嘆すべき音楽で、優しい情熱的な感情に満たされていて、その感情は自然にのびのびと音で吐露されている。この曲には一八七七年の夏にハイデルベルグに短期間滞在したことと、彼が初めて未来の妻と会った場所を訪ねたことによって受けた印象が反映されていることは疑いもない。(「ボロディン~その作品と生涯」A・ゾーリナ著 佐藤靖彦訳 新読書社1994)

この曲はボロディンの妻に捧げられたという。