7・8 Sonnet Epilogue / Britten / Pears&Britten

ベンジャミン・ブリテン Benjamin Britten (1913~1976)

セレナードOp.31(テノール独唱、ホルンと弦楽のための)

Serenade for Tenor, Horn & Strings, Op. 31

Prologue PastoraleNocturneElegyDirgeHymnSonnet Epilogue

 Pears, Brain, Goossens, the Strings of The New Symphony Orchestra

VII ソネット  Sonnet  詩:キーツ John Keats (1795-1821)


www.youtube.com ・ Youtube検索結果

O soft embalmer of the still midnight,

おお 静かな真夜中に香油を注ぐ優しい人よ

Shutting with careful fingers and benign

注意深く優しい指で

Our gloom-pleas'd eyes, embower'd from the light,

私たちのほの暗い喜びの目を閉じ 明かりから陰を作る

Enshaded in forgetfulness divine:

神聖な忘却の中に陰ってゆく

 

 

O soothest Sleep!  if so it please thee, close

おお 最も心地よい眠りよ もしおまえが喜ぶなら、閉じてくれ

In midst of this thine hymn my willing eyes,

おまえへのこの讃歌の中で 眠りを望む目を

Or wait the "Amen" ere thy poppy throws

そうでなければアーメンを待つのだ おまえのケシの花が

Around my bed its lulling charities.

ベッドの周りに寝かしつける慈悲を投げかける前の

 

 

Then save me, or the passed day will shine

そして救ってくれ、さもないと過ぎ去った日が輝きだし

Upon my pillow, breeding many woes;

枕の上に多くの深い悲しみを引き起こすのだ

Save me from curious Conscience, that still lords

救ってくれ、好奇な良心から それは今だに領主のように振る舞う

Its strength for darkness, burrowing like a mole;

暗闇を求めるその強さ モグラのように穴を掘って

 

 

Turn the key deftly in the oiled wards,

油の注された鍵の中で手際よく鍵を回せ

And seal the hushed Casket of my Soul.

そして私の魂の静かなひつぎをふさいでくれ

 

VIII エピローグ  Epilogue


www.youtube.com ・ Youtube検索結果

 

最後の詩は難解だ。Sonnet To Sleep とあることから眠りについて書かれている。

embalmer (防腐処理人)

Casket(ひつぎ)

Amen などから

永遠の眠り、死を連想する 。作者キーツの父は落馬事故で、母と弟は結核で亡くなり、自身も結核で25歳で亡くなっている。病苦から安らかな死への憧れか。 

gloom-pleas'd eyes

curious Conscience

などどう訳したらよいか。

ケシの花言葉は、眠り、慰め、恋の予感、思いやり、いたわり。らしい

今までホルンばかりに気がとられていたが。逐一意味を捉えていくと、今まで見えていなかった深い意味がわかり、この曲が全く新しく輝き出した

 

エピローグ

ホルンソロで全体を締めくくる。楽しいこと、悲しいこと、生と死、自然とその営み

全てを深く味わっているように。